子供の自閉スペクトラム症(ASD)の原因や特徴、治療法や接し方についてまとめ。

科学

11月17日は「世界早産児デー」と言われる日で、早く生まれた赤ちゃんや家族が抱える課題や負担に対する意識を高めるため、2008年にヨーロッパNICU家族会などによって制定されました。

ここでは子供の自閉スペクトラム症(ASD)原因特徴、治療法接し方についてまとめました。

自閉スペクトラム症(ASD)とは?

自閉スペクトラム症(ASD)とは

  • 対人関係が苦手
  • 強いこだわりがある

といったような特徴を持つ発達障害の1つです。

最近の調査で分かっていることは

  • 子供のおよそ20~50人に1人の割合
  • 男性に多く、女性の約4倍の割合

という調査報告があるようです。

自閉症スペクトラム症(ASD)の考え方

自閉症スペクトラム症(ASD)には、対人関係こだわりの特性が少しでもあることで生活に支障をきたし、福祉的・医療的サポートが必要な状態まで幅広く含まれています。

以前までは自閉症の特性を持つ障害は、典型的な「自閉症」に加え、特性の目立ち方や言葉の遅れなどによって「アスペルガー症候群」「特定不能の広汎性発達障害」などに分けられていました。

「自閉症」は言葉の発達が遅れ、相互的なコミュニケーションをとるのが難しとされています。

「アスペルガー症候群」では言葉の遅れがなく、比較的コミュニケーションがとりやすいという特徴があります。

しかし一方でこれらの障害では、対人関係の難しさやこだわりの強さなど共通した特性があります。

そのためこれらを別々の障害として考えるのではなく、一つの集合体として捉えようとするのが「自閉症スペクトラム症(ASD)」という考え方になります。

自閉症スペクトラム症(ASD)が疑われる子供の特徴は?

自閉症スペクトラム症(ASD)が疑われる子供には次のような特徴があります。

  • 視線が合わず、あっても共感的ではない
  • 表情が乏しいもしくは不自然
  • 名前を呼んでも振り向かない
  • 人見知りしない、親の後追いをしない
  • 独り言が多く、人の言ったことをオウム返しする
  • 親が「見て」と指をさしてもなかなか見ない
  • 抱っこをされる事や触られることを嫌がる
  • 一人遊びが多くごっこ遊びをしない
  • 同じ行動を延々と繰り返す
  • いつも同じでないと気が済まず、状況に合わせて柔軟に反抗することが出来ない
  • 興味があることには優秀な結果を出すが、興味のない事にはほとんど手を付けない
  • 一つのことに集中しすぎて周りが見えなくなる
  • 一番になれないとパニックになったり、相手とトラブルになる
  • 食べ物の好き嫌いが激しい
  • 「あれとって」と言葉や身振りで伝えず、親の手をつかんで連れていく

などの特徴があります。

これらの行動が確認できる場合には、専門の医師や心理士に正確な診断をしてもらいましょう。

自閉スペクトラム症(ASD)の原因は?

では自閉症スペクトラム症(ASD)はどういったことが原因で起こるのでしょうか?

実は自閉症スペクトラム症(ASD)の原因はまだ特定されておらず、多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳の機能障害が原因と考えられています。

また胎内環境や周産期のトラブルなども関係していると考えられています。

ですので育て方が原因ではないのかと悩まれておられる方もいらっしゃるようですが、親の育て方が原因ではありません。

自閉スペクトラム症(ASD)の併存症

自閉症スペクトラム症(ASD)の人は様々な併存症があることが知られています。

一般的に約70%以上の人が1つの精神疾患を、約40%以上の人が2つ以上の精神疾患をもっているといわれています。

特に知的能力障害(知的障害)が多く、その他には

  • 注意欠如・多動症(ADHD)
  • 発達性協調運動症(DCO)
  • 不安症
  • 抑うつ障害
  • 学習障害(限局性学習症、LD)

などが併存症としてあげられます。

また医学的併存疾患として、てんかん睡眠障害便秘を合併しやすいことが知られています。てんかんは知的障害が重い人ほど多く認められています。

自閉スペクトラム症(ASD)の治療法

では自閉症スペクトラム症(ASD)の治療法にはどういったものがあるのでしょうか?

まず知っておくべきなのは自閉症スペクトラム症(ASD)は病気というよりも、持って生まれた特性と考えることが大事です。

特性を薬で治すことは出来ません。ですので治療の基本は

『1人1人の特性に合わせた教育的方法を用いた支援』

が必要です。これを治療教育(療育)といいます。療育を受けることで生活の支障を少なくすることが出来ます。

ただし、興奮したりパニックになったり、不眠や自傷行為、攻撃性があったりする場合には、対症療法的に医師に薬を処方してもらうこともあります。

特性を理解してあげることが大切

自閉症スペクトラム症(ASD)の人たちは、自身の特性を周りに理解してもらいにくくいじめにあったり、一生懸命努力しても失敗を繰り返したりすることでストレスが溜まりやすいことが知られており、そのため「二次的な問題(二次障害)」を引き起こしやすいといわれています。

「二次的な問題(二次障害)」とは

  • 頭痛・腹痛・食欲不振・チックなどの身体症状
  • 不安・うつ・緊張・興奮などの精神症状
  • 不登校や引きこもり
  • 暴言や暴力
  • 自傷行為

などの事を言います。

これら「二次的な問題(二次障害)」を引き起こしてしまう前に、家族や周りに人がその子の特性を正しく理解し、本人の「生きづらさ」を軽減させ、「二次的な問題(二次障害)」を最小限にとどめることが基本的な治療になります。

自閉スペクトラム症(ASD)の子供の接し方

自閉症スペクトラム症(ASD)の子供と接する時には次のような工夫をすることで、生きづらさをやわらげることができます。

落ち着ける環境を作る

苦手な音が聞こえる場所や苦手なものが見える場所では刺激を受け続けてしまいます。

なので音がしないスペースを用意したり、机の上やその周辺に物を置かないようにスッキリさせたり、物が置かれている場所をカーテンなどで隠すなど、刺激を与えない環境づくりを心がけましょう。

スケジュールや手順を視覚的に伝える

今後のスケジュールや自分のやることが目に見えると安心します。なので声で伝えるよりも、文字や絵や写真を使って伝える方が理解しやすく安心します。

興味の幅が広がるような工夫をする

同じ遊びをしている時に無理に別の遊びをさせる必要はありません。いつもの遊びをしてから他の遊びに誘ってみると良いです。

例えば車で遊んでいる場合は車の絵本を一緒に見るなど、今興味を持っているものから少しづつ興味の幅を広げていきましょう。

簡単な言葉でゆっくり話す

「ちゃんと座って」「そこに置いて」などのの曖昧な表現を使ってしまうと混乱しやすくなります。

「前を向いて座ろう」とか「机の上に置いて」など短い言葉で具体的に伝えることが大切です。

同じことを伝えるときは伝え方を統一することが大事です。

以上のような接し方をしてみましょう。

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